2010年12月18日

第11話「恐怖のグランドヨコハマ峡谷」

ミルキィホームズは、遂にホームズ探偵学院を退学になってしまった。
一方、シャロ達が学院を去ったのに合わせ、活動を活発化させる怪盗帝国。
中華料理店で働き始めたシャロは、G4のメンバーに他の3人の近況を教えてもらい、4人は久しぶりに一緒になる。
だが喜びもつかの間、傍らの街頭ビジョンには見覚えのある姿が・・・。
何とアンリエットがグランドヨコハマ峡谷の吊り橋から吊るされているではないか!
正義があるなら、彼女を救いに来いと挑発するアルセーヌ。
だが、トイズが戻っていないミルキィホームズの4人は・・・。

(探偵オペラ ミルキィホームズ 公式サイトより引用)


第11話 ネタ解説

タイトルネタ元:「恐怖の谷」
シャーロック・ホームズシリーズの4つの長編のうちのひとつ「恐怖の谷」より。20年前「恐怖の谷」と呼ばれるアメリカペンシルベニア州バーミッサ峡谷で起こった事件に関係した殺人事件を捜査するシャーロック・ホームズ。事件にはモリアーティ教授の影が…。といいつつ、実はモリアーティの死の年代を考えると矛盾が。コナン・ドイルは、あまり設定をふまえる無く書き飛ばす癖があったせいで、ホームズシリーズ各作品間の矛盾(助手のワトソンの傷の位置や結婚時期など)も多かったりします。その矛盾を後付けで補完するのもシャーロッキアンとしての楽しみのひとつ

盗みダメ。ゼッタイ。
麻薬・覚せい剤乱用防止センターのキャンペーンキャッチコピー「ダメ。ゼッタイ。」より。テレビCMやポスターで見かける事も多いですね。

『米菓街』
「べいかがい」と読みます。シャーロック・ホームズとワトソンが共同生活をしていたアパートメントがあったとされる、イギリスロンドンの通り名前「ベーカー街211B」から。額がある門のデザインは横浜中華街入り口にあるもの。なお、シャーロック・ホームズの時代には、ベーカー街に「211B」という番地はまだ無く(85番地までだった)、後の合併で本当に211番地ができました。

「べりっ、べりっ」
場末のラーメン屋の床は(シャロの言う通り)油でギトギトのなせいで、歩くと靴底が「べりっ、べりっ」と鳴ります。店内が湯気でくもっている表現も。芸が細かい。まー最近はおしゃれで清潔なラーメン屋も多いですね。

ニンニクラー油ラーメン
シャロの働く場末のラーメン屋のメニューのひとつ。明らかに後からメニューに足して貼っています。安易に世間様の流行に乗るところが場末たる所以。

KOBAYASHI
お花を売っているコーデリアの近くにあった街頭ビジョンの映像。PSP版「探偵オペラ ミルキィホームズ」主人公「小林オペラ」です。PSP版OPのワンカットですね。小林オペラ自らPSP版ミルキィホームズのタイアップ宣伝?w

ハンバーガーショップの店員
つのだじろうのオカルト漫画「恐怖新聞」の主人公「鬼形礼」によく似ています。アスキーアート化されたものも「2ちゃんねる」などでよく見かけます。

ETERNAL LOVE
クラリス王女から届いた、マープルさんとペロ王子の結婚式の(あまった)引き出物の皿に書いてある言葉。「永遠の愛」という意味ですが、これも「ギャラクシーエンジェル」ゲームシリーズのテーマソング「ギャラクシーエンジェル - Eternal Love~光の天使より~」からでしょうねー。

「やる気あんのかよこはまー」
みんなを待ち受けるラットの台詞ですが、前回ラスト付近で出てきた「ねこみみくまさん」の使う妙な語尾ですね。


第11話 感想など

とにもかくにもアンリエット。提供バックからCM前後アイキャッチまで、ことごとくアンリエットさん祭です。お話の内容も前回に勝るとも劣らない、30分番組とは思えないくらい密度の濃い回です。

冒頭での恐ろしい声で「シャーロック!」とつぶやくアンリエットに始まり、お話も、シャロの「自分がなりたい自分」という強い気持ちを交えつつアンリエット(アルセーヌ)の真の意図中心で進みます。


焼け落ちてしまった屋根裏部屋から去るシャロ。校門前でみんなともお別れ…。
唐草模様風呂敷のでかい荷物のコーデリアさんはともかく、ネロはなんで帽子に荷物を詰め込んでいるのか(←食べ物に間違いない)。寂しいシーンなのに細かいギャグは忘れないところが「ミルキィホームズ」です。
追記:焼けただれた屋根裏部屋のカットでベッド脇に「王女の身代わり」でクラリス王女にもらった除湿器が一瞬写ります。焼けた除湿器が物悲しい…)

シャロが校舎に向かって「ありがとうございましたー!」というカットのメリハリある動きとタメがすばらしい。
「気持ちを動きであらわす」なんてアニメなんだから当たり前のようですが、なかなかできていないもんです。後半、ネロを平手打ちしたラットの見せる「あ、やっちゃった」的な表情とか、アンリエットのシャロ抱きしめカットとか、今回特にこういう「キャラの気持ち」を表現した細やかな演出が多いです。ほんとにいいスタッフたちですね。

一方のアンリエットは、生徒会長室で大暴れ中。ミルキィホームズたちの数々の記念の品を壊しまくりです。「これが最後」と腹をくくるアンリエット。まさにEDの歌詞通り「その場しのぎの覚悟じゃ先が知れてるわ」です。覚悟完了!


シャロは場末のラーメン屋でバイトを始めたようです。生きていくには少女といえ働かねばなりません。でもそこはシャロ、ドジって失敗ばかりです。でもかわいいのでゆるされます。かわいいはせいぎです。
ていうか「らめえん」ってなんですか? なぜかエリーの声で聞こえてきます。「らめえん」。ほらやっぱりエリーの声。

声と言えば、何気ないセリフなんですが、「俺のタンメンまだー?」という客に答えるシャロの「まだですー」の口調が妙にツボにはまります。リズム良いドタバタな客とのやり取りの中、この台詞だけやけにドライな響きで、しかもいかにもシャロっぽいところが超ナイスです。

なんのかんの言いつつも、小衣ちゃん始めG4の面々はシャロたちを気にかけている様子。カウンターでラーメンをいただきつつ、最近の怪盗帝国の暴れっぷりをシャロに伝えます。
そこに怪盗帝国出現の知らせ。飛び出すG4たち。食い逃げです。犯罪です。

その頃コーデリアさんは花売り娘。ネロは辻占い師。ウィジャボードのお告げはお前自身のことだぞどう見ても。帽子縮んでるし。あと私は牛丼には紅ショウガ乗せるタイプです。エリーは300円(←誤解のある表現)。ていうかティッシュ配りで何があったエリー

面白いのは、どうやらちゃんと稼げているのがシャロだけなこと。中華まんをみんなにおごるくらいの稼ぎがあるようですね。円周率は3でも生活力は高いところが、何があっても常にがんばるシャロらしいです。

そこへ街頭ビジョンからアルセーヌの挑戦状が放送されます。それでも動こうとしないネロ、エリー、コーデリア。いったんはG4たちにまかせて引き下がったシャロですが、グランドヨコハマ峡谷でのアンリエットの危機にみんなを説得します。

ここでのシャロの台詞「自分がなりたい自分になれるんです!」は、第6話での同じくシャロの「夢はミルキィホームズを裏切ったりしないからです!」という言葉の確信版ですね。夢がミルキィホームズを裏切らなくても、ミルキィホームズが夢を裏切ってしまっては台無しですから。

その姿に心を動かされ、涙と鼻水まみれのシャロの手を取るコーデリアたち。かまぼこも戻ってきてミルキィホームズ大復活!! アニメ版ミルキィ随一の感動シーンです! だがこれだけ言わせてくれ! メアリーとケイト怪盗だから!

そんなミルキィたちに手を貸し、グランドヨコハマ峡谷へトランクの大きいリムジンで送り届けるアイリーン。いつも犯人扱いのブーちゃんが手渡した、ソニアちゃんの指輪とクラリス王女からの結婚式の引き出物の皿。
過去キャララッシュもベタですが、ほんとに演出も脚本も上手くて一連の熱い展開にワクワクします。


数秒で片付けられたG4(ていうか咲はなにもしてないだろ)と違って、コーデリア、ネロ、エリーの3人はトイズが無くても足止めくらいは可能。シャロはアンリエットを助けに急ぎます。

このシーンで、足音だけでミルキィホームズと見抜くトゥエンティはすごいですねー。変態のくせに実は有能です。

シャロが来たことを確認し自ら遥か下の川へ落ちるアンリエット。迷わず飛び降りるシャロ。ソニアちゃんの指輪の力はあっという間に切れてしまうが、シャロにとうとう本物のトイズが復活
テンポの速い展開がオープニング曲「正解はひとつ!じゃない!!」にのって繰り広げられます。ベタですがテンション上がります!

ここでのシャロを抱きしめるアンリエットがものすごく印象的です。無言のシーンですが、アンリエットさんのいろんな感情を感じ取ってしまいます。私の大好きなシーンです。

で、同時にコーデリアさん、エリー、ネロのトイズも大復活! こうなったらミルキィホームズの本領発揮。怪盗帝国も目じゃありません。
ダメダメだったミルキィたちの本来の強さを、こうやって見せられるとほんとに気持ちよさを感じますね。今回の「恐怖のグランドヨコハマ峡谷」というエピソード、いかにもクライマックスって感じです。

アルセーヌの挑戦的な台詞で今回はおしまい。シャロとアルセーヌとの最終決着はいかに!

しっかりとギャグや小ネタを挟みつつ熱い展開で盛り上がったクライマックスエピソードでした。いよいよラストワン。来週の最終回が楽しみでたまりません。


第11話 2周目以降の感想など

10話から始まった最終回シリーズの中間点ですね。能楽で言えば「序・破・急」の「破」です。そういやエヴァのQってどうなってんの?

それはともかく、この11話もいつも以上に中身がつまっていて見るほうが振り落とされずについていくだけでも大変です。

前回を引き継いで学園退学のシーンに始まり、らめえんやらバイト話やらG4瞬殺やらアイリーンちゃんやら結婚式の引き出物やら、いろんなものを詰め込んで、最後にトイズ復活というアニメミルキィ最大級のイベントが起こります。

ある意味いつも以上のドタバタなんですが、今回が他の回と決定的に違うのは、シャーロックとアンリエット(アルセーヌ)という表裏のヒロインがそれぞれその感情を一気に吐露するシーンです。

アンリエットの覚悟は、シャロだけでなく己の不甲斐なさからくるものでもあるのでしょう。いつもはあんなに冷静なアンリエットが見せるキレっぷりは、何度見ても怖いです。ここまで感情表現を抑える演出に留めてきたからこそ活きる、計算されつくしたシナリオですよね。

同様に、シャロの号泣しながらぐるぐるパンチの「それは途中で諦めたからですー!」のシーン。いつでも笑顔でがんばるシャロが、これだけ感情を爆発させながら仲間に本音で訴えるというのも、きっちりストーリーのクライマックスの感情の盛り上がりにシンクロします。

この2つのシーンで自分がどれだけアンリエットとシャロにシンパシーを抱いていたのかを思い知らされましたねー。

「キャラクターに思い入れを抱かせる」ことがうまくいっていないと、こういうウェットな盛り上げ方はうまくいきません。アニメミルキィの場合、そのウェットさが鼻につかないように工夫する意味でも、ギャグやパロディに混ぜてこういったことをガッツンガッツンしやがります。

そうやってグリグリとかき回された感情が、自然とキャラ達へのシンパシーになっていくというのも巧妙です。こうなると、もはや「ミルキィホームズ」という作品から逃げることはできません。

一種の「吊り橋効果」でしょうか? 「吊り橋効果」とは、危険な吊り橋上で感情が高ぶると男女の間でその昂った感情が恋愛感情と同一化してしまうという効果のことで…はっ!! それが目的かアンリエット!!!

探偵オペラ ミルキィホームズ【6】(初回限定特典(特典DVD&特典CD)付き) [Blu-ray]
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