2010年11月14日

アニメ第1期エピソード別元ネタ解説/感想

エピソード各話のタイトルはまず元ネタの原題が表示され、虫眼鏡が通った後にアニメの方のパロディタイトルが表示されます。詳しい元ネタ説明はエピソードごとの解説と感想へ

「CRIME SCENE」「KEEP IN」
タイトルの隅に描かれているテープの文字。左上が「CRIME SCENE」=「犯罪現場」、右下が「KEEP IN」=「中に入っていてください」。本来犯罪現場には「KEEP OUT」=「立入禁止」というテープが貼られます。


アニメ第1期 エピソード別ネタ解説と感想
注意:各エピソードのネタ解説/感想は、重要なネタばれを含む場合もあります。

#1 屋根裏の入居者
#2 ポケットにパンを
#3 棺桶の恐怖
#4 バリツの秘密
#5 かまぼこ失踪事件
#6 王女の身代わり
#7 太陽のたわわむれ
#8 ボヨヨンの女
#9 MHの悲劇
#10 ミルキィホームズには向かない職業
#11 恐怖のグランドヨコハマ峡谷
#12 ミルキィホームズの帰還(最終話)

「サマースペシャル さようなら、小衣ちゃん。ロンググッドバイ・フォーエバーよ永遠に・・・」のネタ解説と感想はこちらです


アニメ第2期「探偵オペラミルキィホームズ第2幕」エピソード別ネタ解説はこちらから!


第1話「屋根裏の入居者」

 シャロ、ネロ、エリー、コーデリアの4人は、トイズと抜群のチームワークで数多くの事件を解決してきた『ホームズ探偵学院』の人気者。
 学生だけでなく偵都ヨコハマの市民たちからも「ミルキィホームズ」と呼ばれ、憧れの的だった。だが、ある嵐の夜、宿敵「怪盗帝国」とのバトルの最中に「ミルキィホームズ」の4人はトイズを失ってしまい、事態は激変する。
優秀な探偵だった「ミルキィホームズ」は何をやってもダメなダメダメ探偵になってしまったのだ!どうしてもトイズが蘇らない「ミルキィホームズ」4人に対し、その事態を憂慮した学院の生徒会長アンリエットは、最後通牒を突きつけた!それは何と・・・?!

(探偵オペラ ミルキィホームズ 公式サイトより引用)


第1話 ネタ解説

タイトル元ネタ:「屋根裏の散歩者」
江戸川乱歩作「屋根裏の散歩者」より。明智小五郎(小衣ちゃんの元ネタ)が登場する、屋根裏をはいまわったり女装したりすることが趣味(というか奇行)の変わった男の話。

奇厳城
ホームズ探偵学院の生徒たちが暮らす寮。シャロたちの屋根裏部屋もそのうちのひとつ。元ネタは「アルセーヌルパン」シリーズ中の1作、その名もズバリ「奇厳城」。奇厳城は「空洞の針」の別名通り中が空洞になっている巨大な岩の城塞で、アルセーヌルパンのアジトとして使われていました。

「ステーキに飽きたらお寿司を食べればいいじゃない」
1789年に始まるフランス革命において、夫のルイ16世ともども1793年に断頭台(ギロチン)で処刑されたマリー・アントワネットの「パンが無ければケーキを食べたらいいじゃない」という台詞より。史実ではなく、後世にアントワネットの無知さや傲慢さを表現するために作られた話という説が有力。さらに「ケーキ」はフランス語では「ブリオッシュ」で、当時は高級な小麦を使ったパンより低級な駄菓子的な食べ物だったという説もあります。まあそれでも人を馬鹿にした台詞ではありますが。

食堂 多すぎる料理長
レックス・スタウトの小説「料理長が多すぎる」より。譲崎ネロのネタ元「ネロ・ウルフ」シリーズの中でも傑作の一編です。原題は「Too Many Cooks」。「Too many cooks spoil the soup.(多すぎる料理長はスープをだめにする)」=「船頭多くして船山に上る」ということわざからとられたタイトル。ネロ・ウルフシリーズには、この他にいくつか「Too Many 〜」の題名がついた作品があります。


第1話 感想など

冒頭のシャロたちミルキィ4人アルセーヌたち怪盗帝国との熱いトイズバトルが、その後の展開とのギャップ大きすぎ。シリアスなゲーム版の続き…という設定をふまえているのですね。

その後の展開は、いつも通りのミルキィホームズ。安心のコメディータッチです。
しかし、意外にもいくつか重要な伏線があるような…ないような…

冒頭のシャロたちのトイズ喪失のシーンは、アルセーヌの「幻惑」のトイズのようで実はそうではありません(「まだ何もしていない」とアルセーヌも言っています)。そして謎の落雷と爆発、その後トイズが消失しています。

雷と言えば、後半のアンリエット生徒会長がミルキィホームズたちに退学をかけて課す「探偵としての適性試験」。試験に失敗し「退学」を言い渡されたシャロがショックを受けた瞬間に雷が落ちます(気づいたのは根津くんだけ?)。

まあとりあえずミルキィホームズたち4人の退学は一時保留され、3ヶ月の猶予が与えられます。ワンクールです。全13回です。
豪華な個室も特別なランチも全てお預け。古い屋根裏部屋で4人が同居しながら再出発を目指すこととなったシャロ、ネロ、エリーコーデリア。

こうして始まった「探偵オペラミルキィホームズ」。こんなに面白いのだから、ゲーム展開に連動しつつ2期3期…とずぅっと続けてほしいもんです。

ところで、私自身は実はこの第1話だけでは、そこまで「ハマった!」というわけではありませんでした。ただ、「探偵ものパロディ」としてけっこうマニアックなネタを取り上げてることが、ミステリー好きな自分に琴線に触れたことは確かです。(このブログを始めたのは例の第4話「バリツの秘密」を見た後です。あのパロディたっぷりのエピソードがミルキィホームズにハマるきっかけになった人も多いはず)


第1話 2周目以降の感想など

2周目を視聴して気がついたのが、アンリエットのスイッチを入れちゃった犯人。
Bパート始まって直後、根津くんの台詞「ミルキィホームズはなにやってもダメダメ」に、アンリエットが異常に反応を示します
どうでもいいですけど、アンリエットさんに冷たく「今なんておっしゃいました?」って言われてみたいよね!(願望)

それはともかく、この「ダメダメ」というキーワードが実はストーリを支配しているもののひとつということも、最終話までストーリーを見終えたミルキアンならよくわかっていますよね。

序盤の寝坊から始まるミルキィ4人のダメダメっぷりは、初回視聴時にはギャグとして笑っていましたが、アンリエットの気持ちを理解してから見ると、このダメダメっぷりは違った感情を持って見えてきます。

感情がはっきりと表されていないアンリエット生徒会長ですが、その忸怩たる思いを想像すると…無邪気に「生徒会長大好きー」などとやっているシャロたちに対して「いや、マジでがんばれよ!」と一言も言いたくなります。

他のエピソードがあまりにもアレなせいでどうしても地味に感じてしまうこの第1話ですが、見直すと世界観やトイズの説明、キャラの紹介とストーリの伏線…という基本要素がしっかりちりばめられていたこともわかります。

「意外とシナリオ派」なアニメミルキィホームズ。脚本サイドの本気がわかる回でもあったんですね。改めて感心です。

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2010年11月15日

第2話 「ポケットにパンを」

 トイズを失ったミルキィホームズたちを待っていたのは、屋根裏部屋での同居生活。食事も貧しくなり、4人の気持ちは徐々にささくれだってゆく。
 その様子を見て喜ぶ、怪盗帝国のトゥエンティ、ストーンリバー、ラット。彼らはミルキィホームズを監視するためにそれぞれ二十里、石流、根津に姿と名前を変え、ホームズ探偵学院に潜入しているのだ。
 だが、ミルキィホームズ分裂の危機を一匹の子猫「かまぼこ」が救う。少しづつまとまりを取り戻してゆく4人。ところが、ある日朝食用のパンが盗まれるという事件が発生!石流はミルキィホームズたちが犯人だと決めつけ糾弾する!ピンチに陥ったミルキィホームズたちだが・・・。

(探偵オペラ ミルキィホームズ 公式サイトより引用)


第2話 ネタ解説

タイトル元ネタ:「ポケットにライ麦を」
アガサクリスティ作、ミス・マープル主演の「ポケットにライ麦を」から。タイトルはクリスティお得意のマザーグース「6ペンスの唄(Song of sixpence)」の一節。歌に見立てた殺人事件が起こるミステリー作品です。

うまうま棒
見た目からして、株式会社やおきんが販売する「うまい棒」が元ネタですね。どうでもいいことですが、ネロの「うまうま棒」という発音がかわいすぎて私の魂に刻み込まれてしまいました。

「同情するならパンをくれ!」
1994年日本テレビ制作のドラマ「家なき子」の主人公相沢すず(安達祐実)の台詞「同情するなら金をくれ!」から。同年の流行語大賞に選ばれたほど有名な台詞です。

美術室 小美神の黄昏
宇神幸男の音楽ミステリー「美神の黄昏」より。「神宿る手」から始まるシリーズの最終作。どちらかと言えばバッドエンド気味の小説だったりします。

「ポゥ!」
トゥエンティが発した言葉。マイケル・ジャクソンの「SMOOTH CRIMINAL」の出だしの「Pow!!」はマイケルを表す記号として超有名ですね。帽子をかぶるアクションも同じくマイケルのPVより。

荷馬車がゴトゴトかまぼこを乗せていく
学校でも習う鬱歌「ドナドナ」の一節「荷馬車〜が〜ゴ〜ト〜ゴ〜ト〜子牛をのせ〜てゆく〜♪」を絵にしたものだと思われます。

ジャンヌ・ダルク
コーデリアさんが牢屋でアレな状態になっていたときに、自分に重ね合わせて妄想していた。ジャンヌ・ダルクは実在の人物で、英仏百年戦争の時代「神の声を聞いた」として男装して戦争に参加しフランス軍を勝利に導いたが、宗教裁判にかけられ火あぶりの刑にされた。享年19歳。考えてみればコーデリアさんとふたつ違い…。


第2話 感想など

ミルキィたちのペット、かまぼこの登場回。犯人はお前だ!

退学を猶予され、屋根裏で暮らすことになったミルキィホームズたちは、以前と打って変わって食べ物も満足に食べられないほどの貧乏暮らし。粉くずになったうまうま棒も、もったないので急いで口で吸います

しかし、いくらジャガイモひとつでは足りないからと言っても、古い木の机の裏に生えているキノコを食べますかあんたたち。食べられるキノコを見分けるには相当な知識がいると思いますが、エリーはさすがです。そして野生のキノコは今後ミルキィホームズたちの主食に…

ネロはその単純な性格のせいか、コーデリアに遠慮なくつっこみまくりです。まー、コーデリアさんの髪のお花は私も気にはなっていましたが、「頭の中お花畑」はさすがにどうよネロ。でも実際コーデリアさんマジお花畑なんでしょうがないです。

去ってしまったネロとエリーを探してかまぼこに出会うシャロ。「ってなんでですか〜」というシャロのひとりボケつっこみは定番に。かわいいので許されます。かわいいはせいぎです

対してコーデリアさんの妄想暴走が止まりません。スケッチブックはともかく、牢屋の壁に妄想ストーリーを題材にした絵を描きまくるのはかなりアレです。ヤバいです。でもそれはそれでかわいいかもです。ちがうかもです。
(ところで、「パンを盗んで投獄される」というストーリーは「ああ無情(レ・ミゼラブル)」からの翻案なのかなー?)

そういやストーンリバーの意外なまじめっぷりも見られました。ちゃんと間違いは認め謝罪する。憎めない性格です。怪盗帝国の人たちも「怪盗」だからといって「悪人」ではないんですよね。このミルキィホームズという作品においての「怪盗」と「探偵」は、独特の位置づけがあるようです。

結局、かまぼこはアンリエット生徒会長の寛大な処置で、シャロたちといっしょに屋根裏に住むことになります。うらやましいぞかまぼこ。

ちなみに、かまぼこの声を当てているのはおしりがかわいいラット/根津くんをやってらっしゃる下野紘さん。そう思ってかまぼこの声を聞くと、ちょっと面白いですね。

しかしこの作品、とにかくヨダレ。寝てはヨダレ、食べ物を前にしてはヨダレ。第1話でのシャロの「わたしは好きですよー、ヨダレ」という謎の台詞もさることながら、挙げ句の果てには泣いて鼻水、殴られて鼻血(というか花血)
いちおう美少女ものなはずなのに、いくらなんでもアレ過ぎな気もしますが、なぜかそういった表現までかわいく見えてしまうのがミルキィホームズマジック。演出の妙ってやつです。


第2話 2周目以降の感想など

「探偵ものなのに推理をしない」というポリシー(ポリシーなのかなー…)なアニメミルキィホームズ作品中で、数少ない捜査と推理シーンがある貴重な回です。「捜査と推理シーンが貴重」という段階で「どうやねんこのアニメ」と感じてしまうわけですが…、そのへんはミルキィホームズなので問題はありません。

コーデリアさんがオペラっぽい歌を歌いますね。ここで「ああ『探偵オペラ』ってそういうことね」と思った方。お前はダマされている!

そのコーデリアさんが牢屋の壁に描いていた絵ですが、よく見ると絵を描いてるカットでコーデリアさんの髪留めのヘアピンがひとつなくなっています。ヘアピンでガリガリ描いていたのか! 芸が細かいですねー。
しかしどうやってジャンヌダルク風の絵に色をつけたのかは謎です。まあそのくらいの謎はミルキィホームズなので問題はありません

この第2話「ポケットにパンを」で登場したかまぼこは、ただのぶさかわいいマスコットキャラかと思いきや、これ以降のエピソード中で意外にも芸の細かい活躍をします。
とにかく「空気を読む」ことに長けているかまぼこ。ミルキィホームズたちの心情の変化にあわせた行動をとるわ、6話ではシャロが偽物だということも見破っているわ、あきらかにミルキィ4人より優秀です。

そして重要なのは、「かまぼこが今のダメダメなミルキィホームズに連帯感を生み出してくれた」ということ。

アンリエット生徒会長がかまぼこを飼うことを許してくれたのも、それがわずかでもミルキィたちがトイズを取り戻す要因になってくれれば、と考えていたのかも。
この2話あたりでのアンリエットは、まだあそこまで苦労しないといけないとは露にも思ってないのかも知れませんね…。
がんばれアンリエット。超がんばれ。

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