2011年01月15日

ミルキィホームズ異聞「ヨコハマ海軍文書事件」

「ヨコハマ海軍文書事件」

宛 ヨコハマ海軍情報部


この文書を誰かが読んでいるというのなら、私は現在自由の効かない身か、最悪この世にはいないだろう。そういった事態は十分想定される。であるから、万が一を考えてこの文書を残しておくこととする。

この文書に書かれている事実を知ったなら、誰しもが驚愕し恐怖を覚えることだろう。個人的には、真実を知ったときの我が友人の気持ちを考えると、事実でない事を願いたいくらいである。

しかし、事実は事実である。

あのシャーロック・シェリンフォードという少女、ある事件をきっかけに彼女の中の何かに一抹の不審を覚え、海軍情報部の協力でかの少女を内偵し始めたときは、こんな結末が訪れようとはついぞ考えもしなかった。

なにせあのミルキィホームズである。その中でもシャーロック・シェリンフォードは、年齢の割には子どもらしさが抜けておらず、それ故にヨコハマ市民の間に大いに人気を誇る。何の不審があろうぞ。ひとは私が気でも触れたのかと思うだろう。私でさえ半信半疑の内偵であった。しかし、疑惑は確信となりこの結末である。

4ヶ月前の事である。怪盗帝国との戦いの最中、ミルキィホームズがトイズの能力を喪失してしまうという奇怪な事件が起こった。世の同情はミルキィホームズに集まり、怪盗どもへの憎悪はいや増す事となった。だが、対怪盗事件の先鋒たるミルキィホームズがトイズ能力をなくしてしまったがために、世情の願いとは裏腹に怪盗帝国はその活動を活発にするばかりであった。

私はこの事件に非常な不信感を持つ。

何ゆえ彼女たちのトイズは喪失したのか。その理由はわからぬが、ひとつはっきりしていることがある。トイズ喪失という憂き目に遭いながら、彼女たち、とりわけシャーロック・シェリンフォードは全くと言っていいほどその喪失感に悲嘆に暮れることもなく、むしろ以前にも増して無邪気な生活を送っていた。

その心理に不審を覚えた私は、関係機関の同意を得た上で隠密にシャーロック・シェリンフォードに対する内偵をはじめた。

不審が確信に変わるきっかけはすぐに訪れた。「ハマのビーナス強奪事件」である。この事件では幸いな事に怪盗帝国の犯罪は失敗に終わったが、同時にシャーロック・シェリンフォードのある行動が、私の疑惑が疑惑ではなく、何らかの事件を構成する事実の一端を指し示していたことを理解したのである。

この事件でシャーロック・シェリンフォードは、超ヨコハマ美術館駐車場前にて、ちょっとした事故からビーナスに取り付けられていた発信器を追跡するためのモバイルパソコンを破壊してしまう。

事故? いやそうではない。これはシャーロック・シェリンフォードが、偶然を装って故意に破壊行為に及んだのである。ありえないと思われるだろうか。だが彼女の警察への妨害行為はこればかりではない。

「アイリーン・ドアラー遭難事件」では、G4の明智刑事を偶然も手伝って拉致する事に成功し、捜索の妨害をしている。また、「超ヨコハマ美術館別館爆破事件」の直接の犯人は明智刑事の報告書にもある通りシャーロック・シェリンフォード自身である。

決定的なのは、「MH殺人未遂事件」において、シャーロック・シェリンフォードは主犯たる来栖ソニアを捕縛したにもかかわらず、警察に引き渡す事無く内々に処分を下すように促してしまった件である。

結論を言おう。
シャーロック・シェリンフォードは怪盗帝国のスパイである。

ありえないことではない。私は内偵を進めるにあたって、ミルキィホームズ4人の学院への入学志望動機を調べてみた。そこにまた不信の芽を発見したのだ。ミルキィホームズ他の3人には、学院で探偵を目指す大きな理由をそれぞれもっている。しかし、シャーロック・シェリンフォードだけは、明確な志望動機がない。

そもそもミルキィホームズ結成の経緯が不審である。学院のアンリエット生徒会長の一存で結成されたも同じのミルキィホームズであるが、ここに怪盗アルセーヌの影を感じるのである。あるいはアンリエット生徒会長自身が怪盗アルセーヌに弱みを握られ脅されて協力させられているのかもしれない。おそらくそれはシャーロック・シェリンフォードが裏で手を引いているのだろう。

裏で手を引いている? そう、シャーロック・シェリンフォードは怪盗アルセーヌの部下でも単なる協力者でもなく、むしろ怪盗帝国の真の首領なのだ!

トイズ喪失というひょんな事件がきっかけで、世間の同情を隠れ蓑に利用した彼女は、かねてからの野望を実行に移す決心をしたのだろう。この時期より彼女の不審な行動が目立ち始める。曰く「私は好きですよー、よだれー」曰く「けんかはやめてくださーい、なんつってー」曰く「ってなんでですかー」等々、真意のつかみきれない奇怪な言動でその真意を世間から隠蔽するとこに成功していた。

そしてある偶然がきっかけで、シャーロック・シェリンフォードはその計画の第1段階を開始する事となる。それは「クラリス王女替え玉事件」である。

この事件で、複雑な経緯からマーロ国の王女クラリスとシャーロック・シェリンフォードが一時期入れ替わっていたことは世間の耳目にも新しいだろう。事件自体はたいした広がりも無く解決している。しかし、終わっていない事実があるのだ。

シャーロック・シェリンフォードは未だクラリス王女が入れ替わったままである、という事実だ。

証拠はこうである。クラリス王女は普段より「私がなりたい私」という言葉を口癖のように言っていたという。それをふまえ、ごく最近起こった「生徒会長アンリエット拉致事件」でのあるできごとを見てほしい。解散同様のミルキィホームズを再結成するためにシャーロック・シェリンフォード発した言葉「自分がなりたい自分」という言葉はどうだろう。そう、これはシャーロック・シェリンフォードの言ではなく、クラリス王女のものなのだ。

シャーロック・シェリンフォードは、彼女のおぞましい計画を進める上でその身を一時的に隠す必要があった。クラリス王女はおそらくは強制的に協力させられているのだろう。マーロ国は慢性的に財政難であり、シャーロック・シェリンフォードはその援助を餌にクラリス王女に替え玉を強制している。怪盗帝国の豊富な資金があれば充分に可能であろう。

身を隠している本物のシャーロック・シェリンフォードの行方は未だにわからない。だが、彼女の恐るべき野望ははっきりした。

シャーロック・シェリンフォードは怪盗帝国を牛耳り、怪盗アルセーヌを表向きの首領に据えたまま影からヨコハマの犯罪界を操っていこうとしているのだ。

彼女はもう間もなく再び姿を現すだろう。おそらくは変装し、声すら変えて誰にもシャーロック・シェリンフォードの正体を明らかにされないよう周到に準備を進めているはずである。

最後に私がつかんだ、彼女が使うであろう偽名を明かしておく。

その名前は「モリ・アーティ」
ヨコハマ警察 警視 神津玲(署名)
 

(注:この小文はミルキィホームズのお馬鹿な2次創作です。本編のアニメ等との解釈や整合性がとれているとは限りません。あしからずですー)

タグ:創作

2011年01月16日

続・ミルキィホームズ異聞「太陽の黄金のバナナ」

(注意:この作品は『ミルキィホームズ異聞「ヨコハマ海軍文書事件」』の続編になります。できれば『ミルキィホームズ異聞「ヨコハマ海軍文書事件」』を先に読んでからお読みいただくとうれしいです)

「太陽の黄金のバナナ」

航星日誌 宇宙歴10727.3 船長ジェームズ・C・グラウカ


地球周回軌道に乗った。話には聞いていたが、私自身の目で地球を見るのはこれが初めてだ。

私たち人類が地球を離れて火星に住み始めて1世紀近くがたつ。植民が始まった当初は自分たちを「火星人」などと揶揄していた我々植民地人だが、今や地球人類の最後の生き残りである。

80年近く前、地球を襲った未曾有の大災害「彗星C2021/E1(通称シェリンフォード彗星)」の衝突で地球人類がほぼ全滅。母星との連絡を絶たれた当時の火星は、一時的なパニックに襲われた。

しかし、その少し前に火星にもたらされたテラフォーミング技術により、火星の大地は地球環境化がかなり進んでおり、落ち着きを取り戻した我々火星植民地の人々は、その現実を受け入れ自分たちだけで「地球人の生き残りとして」この火星で生きていく事を決心した。

これも全てあの地球最大の英雄「シャーロック・シェリンフォード」の功績である。

この話をしても誰にも信じてもらえないのだが、私の祖母であるコーデリア・グラウカは彼女の親友であった。祖母は生前よく「シャロが救世主なら私はそう、ジャンヌ・ダルク!」などといっておどけていたが、その気持ちはよくわかる。

祖母は学生時代に、シャーロック・シェリンフォードらと「ミルキィホームズ」という探偵チームを組んで活動していた。ミルキィホームズの4人は姉妹のように仲がよく、いつも一緒に行動していたという。

だからこそ、シャーロック・シェリンフォードの悪事が露見した後でも、祖母は彼女を心底信頼し、ことあるごとに彼女をかばっていた。それ故につらい思いをしたことも多かっただろう。しかし祖母はそんな事を意にも介さず、いつも幼い私に「ほらこれが私たち4人のお花畑」と(あまり上手ではない)絵を描いてみせてくれたものだ。

ご存知の通り、シャーロック・シェリンフォードという人物は、一時「怪盗帝国の裏の実力者」として悪名を轟かせていた時期があった。彼女が怪盗たちを使役して巨万の富を蓄えていたのには、万人には知られざるある壮大な意図があったのだが、それは最後の最後になるまで明らかにされなかった。

しかし祖母はちゃんとわかっていたのだろう。シャーロック・シェリンフォードのひたむきさ、仲間思いの一生懸命さが決して芝居ではなく、その見た目通りの真実だった事を。

シャーロック・シェリンフォードという少女は、理性や知性より勘の鋭い人間だったそうだ。彗星C2021/E1(のちに彼女の名を冠して「シェリンフォード彗星」と呼ばれる)が地球の軌道と交差する可能性が非常に高いという情報に対し、シャーロック・シェリンフォードはその勘により最悪の可能性を悟ったのだろう。

おそらくは彼女の友人、バートン工科大学創始者でもあるエルキュール・バートンの知識も借りたのではないかと思う。同様に親しかった譲崎ネロもそのハッキング技術での支援を惜しまなかっただろう。だがもはや真相はわからない。とにかく、シャーロック・シェリンフォードは決断し行動した。

「地球を救う事はできなくても、人類を救う事はできる」そう考えたシャーロック・シェリンフォードは、怪盗帝国を操り莫大な資産を手に入れた。そしてその資産を、テラフォーミング技術を完成させるため関連企業や大学など研究機関への投資へ注ぎ込んだ。

彗星衝突の10年ほど前にテラフォーミング技術は実用段階にまで達し、さっそく火星植民地への適用が開始された。「オペレーション・バリツ」と呼ばれたその技術により、気密ドームに数百人が住む事がせいぜいだった不毛の大地は、数年で数万人が住む本格的な植民地へと発展した。おかげで地球自身が滅んでしまった今でも、人類の文化文明が継承され生きているのだ。

実はこの部分についての私の解釈はちょっと違う。シャーロック・シェリンフォードが救いたかったのは、人類ではなく「大好きな仲間」だったのではないかと私は信じている。私の祖母であるコーデリア・グラウカが火星で天寿を全うしたのがその証拠だ。

火星では先年、英雄シャーロック・シェリンフォードの偉大な功績をたたえ、銅像が建設された。鹿撃ち帽にインバネスコート、15歳当時のあの姿の銅像である。彼女の好きだったと言うバナナを手に高々と掲げている。彼女の好物はキノコだった、いやかまぼこだったと諸説があり、銅像のデザインはその件でもめにもめ、結局はドアラー大統領の一存でバナナに決定したという。

だがそんな議論など、彼女に関する祖母の思い出話を繰り返し聞いていた私には滑稽にしか見えない。
シャーロック・シェリンフォードは「自分がなりたい自分」になれたのだ。友達思いの彼女なら、それだけで十分満足してるはずだ。

さきほど地上の遠距離スキャン映像が届いた。かつて偵都ヨコハマがあったあたりの映像を、船長の特権を使い撮影させたのだ。この映像のプリントアウトを、火星にある祖母の墓に供えたいと思う。

祖母の好きだったロサ・グラウカの花でいっぱいの偵都ヨコハマの写真を。

(完)


(注:この小文はミルキィホームズのお馬鹿な2次創作です。本編のアニメ等との解釈や整合性がとれているとは限りません。あしからずですー)

タグ:創作

2011年11月16日

勝手に妄想「探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕」ストーリー

昨日の「探偵オペラミルキィホームズ 第2幕」の新情報の件で記事を書いてて、第2幕のストーリーが気になって気になって…

だって、あんなふうにチラ見させられたら妄想が膨らむじゃないですか!
例えばサマスペでも、平乃さんが穿いてるか穿いてないか気になるじゃないですか!(関係ありません)

というわけで妄想してみました!

妄想なので今回「情報」カテゴリではなく「創作」カテゴリですw
あくまでも妄想なので真に受けないでくださいね! でないとお姉さん怒りますよ!


妄想1:空き部屋の冒険
(ホームズもの新シリーズ再開はこのサブタイだよね!)


ミルキィホームズたちが暮らす屋根裏部屋のある学生寮。その隣りの寮にも同じような屋根裏部屋があった。空き部屋なはずのその部屋に人の気配が…?
捜査と称して覗きに行くミルキィホームズたち。彼女たちがそこで見たものは、あろうことか落ちぶれたアンリエット生徒会長だった!
驚いたことに、アンリエットもなぜか突然トイズを喪失し、それで屋根裏に追いやられてしまったと言う。
怪盗帝国の他の3人もトイズを失っているらしい。かつてのように乳首を立たすことができない二十里先生。将来放送枠を日曜朝へ進出するための配慮なのか…?
ミルキィホームズたちはとりあえずアンリエットを連れてデパ地下に「収穫」に向かうのだった…


妄想2:幼稚園児の終わり
(元ネタSFだけど気にしない!)


偵都ヨコハマを突如謎の宇宙生命体「M-RT(Mysterius Reasonless extraTerrestrial)」が襲う。なぜか突然復活したトイズを駆使し戦うミルキィホームズ。しかし奮戦むなしくヨコハマは「M-RT」に蹂躙されていくのだった。
そこへ現れたのは、園児服の黄金仮面をかぶった謎の天才美少女!
彼女は、ミルキィホームズたちに世界のどこかにいるという「I.Q.Designator(IQを賜る者)」を探せという。
非常事態の裏で暗躍するアルセーヌたち怪盗帝国と「M-RT」の関係は?
なぜ突然ミルキィホームズにトイズが復活したのか、事件との関連は?
視聴者にはバレバレでもミルキィたちには正体不明な仮面の美少女の真の姿とは!?
そして偵都ヨコハマに勝ち目はあるのか!? 



妄想3:セアカゴケグモの会
(アシモフ大好き!)


お茶会を催すミルキィホームズの4人。
大して内容のない取り留めもない会話に打ち興じる。時間だけが過ぎていく…
ある特別な部屋に場所を移し、シュールなゲームを楽しむミルキィホームズ。
また、音は聞こえないものの別世界が覗ける装置で、その映像に想像を巡らせるミルキィホームズ…
いったいこの会合は何? 謎は謎を呼ぶが… ? 「記憶の中の微笑んでいる地球(あなた)」とは…?


さあどうだ!?(どうだっていわれても)

gdgd妖精s【おいでよ!妖精の森】
おいでよ!妖精の森 - EP - gdgd妖精s
タグ:第2幕 2期 創作
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